2025年10月15日水曜日

町田の団地リペア工事プロセス|風が通り抜ける家へ。建具と家具の設置が進行中

下地工事が完了し、いよいよ仕上げ工程に入る前段階として、建具や造り付け家具の設置が進んでいます。


かつて南北を塞いでいた壁には新たに開口を設け、風が通り抜けるようにしました。エアコンを使う季節には空調効率を考えて扉を閉められるようにしています。引き込み戸を採用することで、開け放したときは扉の存在を感じさせない、すっきりした印象になりました。



電話やインターネット、インターホンの機器類はダイニングキッチンに設けた棚に集約。コストを抑えるため集成材を立てただけのシンプルな構成ですが、配線を隠す役割も果たしています。




また、洗濯機台も設置されました。高さがありすぎると使いづらいため、なんとか20センチ以内に抑えて調整しています。









2025年10月8日水曜日

町田の団地リペア工事プロセス|コストを抑えつつ美しく──配管露出のチェック

内装の下地(骨組み)の工事が進んでいます。


今回のリノベーションでは、配線や配管の多くが露出しています。これは、過去の改装時に露出していたものに加え、今回の設備位置の変更に伴って新たに露出するものもあるためです。

理想をいえば、壁や天井をふかしてすべてを隠したいところですが、その分の費用が必要になります。コストを抑えるため、今回は一部の露出を許容する方針としました。



本日の工事チェックでは、この露出部分の見え方を現場で確認しました。露出するにしても、できるだけ不格好にならないように。目立たず、さりげなく馴染むように——そんな点にも設計段階から注意を払っています。

2025年10月1日水曜日

町田の団地リペア工事プロセス|リノベ工事開始!フローリング補強と断熱材の再利用で賢く改修

いよいよ工事が始まりました。最初の工程は解体工事です。

今回のリノベーションでは、工事費を抑えるため解体範囲をできるだけ小さくしています。壁や床の多くは残して再利用する方針です。



一部フローリングにふわふわした箇所があったため、撤去して下地の状態を確認しました。幸い大きな傷みはなく、必要に応じて補強を加えたうえで再利用できそうです。

巾木を外したところ、北側の壁に断熱材が入っていることがわかりました。当時はまだ壁断熱が一般的ではなかった時代ですが、この団地は先進的な知識で建てられていたことがうかがえます。断熱材も大きな劣化は見られなかったため、そのまま活かすことにしました。

解体によって隠れていた配管の様子も確認できました。設計段階での想定どおりで、おおむね計画通りに工事が進められそうです。


解体が終わった部分からは、新たに下地を取り付け始めています。キッチンから玄関へ抜ける出入り口は塞ぎ、洗濯機置き場に変更する予定です。


さらにこのタイミングで、お客様にも現場にお越しいただき、フローリングや壁紙の色を打ち合わせしました。全体として明るい木目調で統一する方向となり、完成後の空間が楽しみです。





2025年9月24日水曜日

町田の団地リペア設計プロセス|リノベーションが予算オーバー!工事費を減額する具体的な方法

工務店に見積を依頼したところ、残念ながら予算をオーバーしてしまいました。そこで、原案をもとにいくつかの『減額案(コストダウンの工夫)』を検討しました。

見積時の案

減額を反映した最終案

もっとも大きな変更点は、「寝室とリビングの間の壁と建具を撤去せず、そのまま残す」ことです。これにより、解体費用や新しい建具を設置する費用を抑えることができます。開放感は現設計よりやや弱まりますが、それでも十分な広さがあります。むしろ寝室は壁で囲われていた方が落ち着くというメリットもあります。

次に、寝室とダイニングキッチン(DK)の壁面収納をすべて無くし、代わりにDK側に棚だけを設けることにしました。扉や壁を設置する費用を削減でき、シンプルながら使いやすい収納計画になります。

さらに、既存の扉や状態の良い壁紙、便器などを再利用しました。

このように大きな変更点に加えて細かな調整を行い、さらに若干の予算を追加することで、ようやく計画に目途を立てることができました。

リノベーションやリフォームで予算オーバーに直面した際には、「壁や建具を残す」「収納を簡略化する」「既存の設備を再利用する」といった工夫が有効な減額方法となるのです。





2025年9月17日水曜日

町田の団地リペア設計プロセス|窓の景色とエアコンの配置で間取りが決まる

間取りの打ち合わせの中ではLDKと寝室をどこに設けるかも議論になりました。

元の間取りは下記のとおり。現LDK左手の洋室のどちらを寝室として残し、どちらを現LDKにくっつけるかが選択肢となります。


DK縦長案では、バルコニー側の洋室と現LDKの間の壁を撤去し、一体化させます。バルコニーに面して大きく開ける、明るく気持ちのいいプランです。ただし問題は寝室。バルコニーと反対側にはエアコンを取り付けられないため、寝室に直接エアコンを設置できません。LDK側のエアコンで補うことはできそうですが、能力的に不安が残りました。
DK横長案では、バルコニーと反対側の洋室と現LDKをつなげます。実はこの向きの方が視界が開けていて、眺望が良いのです。寝室にはエアコンを設置できるため快適性が高い一方で、LDKのエアコンの効きに不安はあります。ただし寝室のエアコンを併用すれば十分対応できそうでした。

最終的に選んだのはDK横長案。完成してみると、パノラマのように団地の景色を楽しめる、心地よいLDKが実現しました。




2025年9月10日水曜日

町田の団地リペア設計プロセス|団地リノベーション間取り図の作り方、洗濯機はキッチン?脱衣室?

現地調査をもとに、リノベーション用の間取り図案を作成しました。
まずは、もとの間取りをご覧ください。


今回のプランでは、LDKと隣接する部屋の壁を、構造が許す限り取り払うか、フルオープンできる建具で仕切ることで、竣工当時の団地ならではのおおらかな空間のつながりを取り戻すことを目指しました。
キッチンユニットは既存のものをそのまま活用し、位置も変更していません。
また、洗面所と玄関の間には新たに扉を設置し、洗濯機置き場はキッチン横に設けています。


洗濯機の設置場所については、お客様の間で議論がありました。
「脱衣室の横に置いた方が便利では?」という声もあれば、「冷蔵庫はシンク横が使いやすいので、洗濯機はキッチンにまとめた方がよい」という意見もありました。
そこで、洗濯機置き場を脱衣室に移す案も別途作成し、2案ともに工務店へ見積もりを依頼することになりました。