2026年7月30日木曜日

壁紙を美しく仕上げるための下準備|Kyoto Monochrome Renovation完成まで

塗装工事が完了しました。

艶を抑えた塗装を採用したため、空間全体がマットで落ち着いた雰囲気に仕上がっています。

続いて、壁紙を張るための下地処理に入ります。下地にわずかな凹凸が残っていると、そのまま壁紙の表面に現れてしまうため、パテを使って丁寧に平滑にしていきます。写真で石膏ボード(ベージュ色)の上に白く見えている部分がパテです。



作業を進める中で、梁の凹凸は完全に平滑にすることが難しいことが分かりました。そこで、梁の部分だけ壁紙の種類を変更することにしました。厚みがあり、表面の凹凸が大きい壁紙を選ぶことで、下地の凹凸が目立ちにくくなります。


図面だけでは分からないことも、現場では少なくありません。その都度状況を確認しながら、より美しく仕上がる方法を選択していくことも、工事監理の大切な役割です。

2026年7月22日水曜日

白を使い分ける塗装工事の下準備|Kyoto Monochrome Renovation完成まで

塗装工事の準備に入りました。

お客様とサンプルを見比べながら決めた色や艶の種類、配色計画を、職人さんが分かりやすいよう資料にまとめて共有します。今回は、一見すると同じように見える白でも、色味や艶感が少しずつ異なるものを使い分けるため、特に慎重な確認が必要です。


そこで、塗り分ける箇所にはマスキングテープを貼り、使用する色や仕上げを直接書き込んでいきます。間違えやすい部分には塗料の品番も記載し、誰が見ても迷わないようにしました。


美しい仕上がりは、このような地道な準備によって支えられています。完成した空間で、それぞれの白がどのような表情を見せてくれるのか、今から楽しみです。

2026年7月8日水曜日

モルタルの表情を持つ床材「モルタライク」|Kyoto Monochrome Renovation完成まで

床張り工事が始まりました。


今回採用したのは、「モルタライク」というモルタル調のビニルタイルです。印刷ではなく、素材自体を微細に凸凹させてモルタルの質感を再現するというこだわりの製品です。

その名のとおり、コテで均したモルタルのような表情を持ちながら、素材はビニルタイルなので、足触りはほどよい柔らかさがあります。


クッションフロアのように沈み込む感覚はなく、適度な硬さがあるため、歩いたときの感触も自然です。また、表面はフラットでありながら光沢を抑えたマットな質感で、一般的なビニルタイルに見られる艶っぽさやべたついた印象がありません。汗ばむ季節でも足裏がさらっと感じられるのも、この床材の魅力です。

見た目はモルタルのような無機質さを持ちながら、日常使いではビニルタイルならではの扱いやすさを兼ね備えています。今回のモノクロームのインテリアにもよく馴染む素材だと考えています。

これから、この床材を住戸全体に敷き詰めていきます。


2026年7月1日水曜日

いよいよ仕上げ工事へ、石膏ボード施工完了|Kyoto Monochrome Renovation完成まで

仕上げの下地となる石膏ボードの張上げが完了しました。



石膏ボードは、クロスなど仕上げ材の下地となる重要な材料です。この工程が終わると空間の輪郭が見え始め、図面だけでは分かりにくかった部屋の広さやプロポーションも感じられるようになります。



工事監理では、仕上げに適した納まりになっているかを確認するとともに、スイッチやコンセント、照明器具が取り付く位置から配線が正しく出ているか、一つひとつチェックしていきます。



次はいよいよ、空間の印象を決める仕上げ工事へと進みます。

2026年6月24日水曜日

見えなくなる部分の品質を確かめる|Kyoto Monochrome Renovation完成まで

仕上げ工事に先立ち、壁や天井の内部となる部分の工事が進んでいます。



断熱材の施工は完了しました。断熱性能を十分に発揮するためには、隙間なく施工することが重要です。配管や配線を通すために断熱材へ穴を開ける必要がある箇所についても、できるだけ小さな開口となるよう丁寧に施工してもらっています。


また、給排水管に加え、電気配線も壁の中へ仕込まれていきます。この段階でスイッチやコンセントの位置も決まるため、図面通りの位置や高さになっているかを確認するとともに、実際の使い勝手を想像しながら調整が必要な箇所がないかもチェックします。


仕上げ材が施工されると、こうした部分は見えなくなってしまいます。しかし、断熱性能や設備の使い勝手は住み心地に直結する重要な要素です。

完成後には見えなくなる部分だからこそ、現場で一つひとつ確認しながら工事を進めています。

2026年6月17日水曜日

団地が教えてくれる未来の暮らし|「団地への招待」上映会と「昭和レトロキッチン見学会」のトークショーに出演しました

 過日お知らせしました「団地への招待」上映会と「昭和レトロキッチン見学会」のトークショーに出演しました。

テーマは、日本住宅公団が生み出した住まいのイノベーションを振り返りながら、それをこれからの住まいづくりにどうつなげていくか、というものです。



上映された映画『団地への招待』には、団地での新しい暮らしに胸を膨らませる若い夫婦の姿が描かれていました。今見るとツッコミどころもありますが、当時の人々にとって団地は、未来の暮らしそのものだったのだのでしょう。


その裏では戦後の住宅不足を解消するという大きな使命が団地にはありました。限られた時間の中で膨大な数の住宅を供給しなければならない。そのような状況にもかかわらず、ステンレスシンクをはじめとする新しい設備や住まい方を提案していたことに改めて驚かされます。社会の課題を解決しながら、同時に未来の暮らしを提案する。団地にはそんな力がありました。



最近、建築作品の解説を読んでいると、与えられた条件をどのように整理し、解決したのかが丁寧に語られていることが多くあります。それはもちろん大切なことですが、一方でその建築によってどんな暮らしを実現したいのか、どんな未来を描いているのかまで語られることは、意外と少ないようにも感じます。

団地を見ていると、建築は単なる問題解決ではなく、人々の暮らしの可能性を提案するものでもあるのだと改めて気づかされます。私が団地に惹かれる理由はそこにあるのです。