2019年2月17日日曜日

[再掲]収益のための木造3階建てアパートを建設するときに気をつけること

レオパレスの施工不良問題(不良以前の問題と思いますが…)が話題になっています。

ちょうど一年前の今頃、投資用アパートの設計依頼が数件問い合わせがありました。
アパート投資が盛んであることは聞いていましたが実績が少ない弊社に話が来るとは
そんなに忙しいのだろうかと思って相談に乗っていました。

しかしお話を聞くうち、これは相当あちらこちらで断られているのではと思うようになりました。
なにしろご希望の予算がご希望の規模に比べてあまりにも少ない…。

そのうちの一つの依頼者さんは
“この坪単価で前に建てたことがあるから大丈夫”と参考図面を送ってきたのですが
それを見るといやいやその坪単価では無理無理という内容。
でも建ったというのだから工務店は赤字覚悟でやったか、
なんらかの手を抜いていたのではないかと…。
結局、こちらから断ったり、予算が少ない旨伝えるとパッタリと連絡が来なくなったりで
どれも仕事になりませんでした。

そんなことがあった時に書いたブログを再掲します。


ここ最近、収益のための木造3階建てアパートの相談が来ますが
毎回、ご希望の工事単価に驚かされています。

今までの経験では木造の戸建て住宅で一坪当たり60万円以上は欲しいところ。
ローコストの場合でも建物のクオリティを考えると坪50万円が限界と考えています。
それが法律上の規制が厳しいアパートとなれば戸建て住宅よりスペックが上がらざるを得ません。
また、一戸づつお風呂、キッチンを備えるので同じ面積であっても工事費は自然と高くなります。
となるとアパートでは坪70万円以上は必要と考えています。

ところが依頼者のご希望は判を押したように一坪当たり40万円以下なのです。
なぜかと思って[木造3階建てアパート、工事費]で検索してみると
その金額で設計施工している業者が何社かありました。
この業者の金額を参考にしてそれくらいでできるだろうと思われているのでしょう。

工事費坪40万円で木造3階建てアパートを建てられるのか。
たしかにその金額でもできるかもしれません。

ただし…

その1|施工する工務店の質が保証できません
過去極端に工事費が安い工務店に工事を依頼したことがありますが、
工事後のアフターケアの対応が悪かった経験があります。
投資のためとなれば建物を長期にわたりメンテナンスをしていかなければなりません。
工務店のアフターケアに対する姿勢の善し悪しはアパートの経営の善し悪しにつながります。
建設中は一生懸命であっても引き渡すと建物に興味がなくなる工務店は残念ながら存在します。

その2|ありきたりのアパートになります
前述の安く設計施工を行う業者ではなく、
設計事務所に設計を依頼するということは
他のアパートと差異化を図る意図があってのことと思います。

坪40万円以下という金額でアパートを建設しようとすると
おそらく「同じ」仕様の建物を年に何棟も建設する想定でなければ不可能でしょう。
そんな業者のアパートと差異化を図ろうとするならば「特別」なことをする必要があります。
ということは彼らと同じ単価ではご希望のアパートは不可能ということになります。