2006/11/13…一石二鳥の建築1
ひとつの建築に複数の意図をこめる
世の中、見渡してみるとひとつの物事に複数の意図が
こめられていることがあります。
たとえば先日の日米野球。
大リーグチームは若手中心の大リーガーで試合に
臨んできました。ある方の話によるとそれは若手に
日本の野球を体験させて経験をつませたいという意味と、
スーパースターながら若手のため年俸の低い彼らに
賞金をあげようという意図があるとのことです。
「若手中心のメンバーを組む」ことが選手の育成と金銭的支援の二つをかなえているわけです。さらに米国以外ではまだ無名な選手を日本に紹介するという役割もこの人選は担っているでしょう。それは日米野球の5日間という短い期間を、実質1ヶ月以上の価値に変えているに違いありません。
ひとつの建築を建てるにはさまざまな制約があります。
敷地の大きさ、予算、法的規制など。
その限られた範囲で最大限の効果を出すために
建築家は頭をひねるわけですが、このとき
“ひとつの物事に複数の意図をこめる”ことは有効な方法です。言い換えるなら“ひとつの建築に複数の意図をこめる”とでも
言いましょうか。
次週からはこの『一石二鳥の建築』について
書いていきたいと思います。