2018年10月14日日曜日

「大改造!!劇的ビフォーアフター」団地リフォームを見て 3

前回の続きです。

性能や安全性について疑問に思った点もありました。

フローリングの代わりに杉の集成材を張っていました。
これはなかなかいいアイデアだと感心しました。
ならばなぜみな使わないのかというと反る可能性があるからです。
単板の無垢板ではないので少ないとは思いますが気を付ける必要があります。
その点、あの細い釘で反りを押さえられるのか心配です。
本来隠し釘は家具などで軽い材料を接着剤でとめるときの仮止め用の釘ですから。

浴室で床タイルの隙間から水が床下に漏れていくので心配と説明されていました。
リフォームではそのタイルの上に単にモルタルを敷いてタイルを張りなおしていましたが
漏水を心配するのではあればその前に防水を施工する必要があります。
単に貼りなおしてもタイルの隙間から同様に水は床下に流れます。
ローコストだからそこに目をつむったのだとは思いますが。


弊社が手掛けた団地リノベーション『新金岡団地の白いワンルーム』では
浴室の防水性を高めつつローコストを図るためにタイルを撤去し防水をそのまま仕上げにしました。
ローコストだから性能は二の次でいい、というわけにはいかないのです。

2018年10月7日日曜日

「大改造!!劇的ビフォーアフター」団地リフォームを見て 2

前回の続きです。

番組を見ているとローコストの割に
逆効果ではないかと思われることもいくつかありました。

ローコストの時、解体費用額は地味に効いてきます。
番組内でLDKの解体の時に「これで120万」と言っていたのは冗談としても
この広さであれば20万~30万円は必要と思われます。
加えて解体時に痛めたところの補修費用もかかるので
費用を抑えるためにはなるべく解体箇所を減らすのがセオリーです。
その点からみるとちょっと壊し過ぎかなと。

ホームシアターにした部屋は押し入れを改造したほうがローコストだったと思います。
コンクリートのままだと音が響くということで
一枚400円程度のマットを貼っていましたが
50枚程度は張っていたので2万円はかかっているでしょう。
それならばボードを一枚張った方が安く済むような気がしますし、
押入れをそのまま残していれば響きを抑える効果があったでしょう。


また防湿のために床下にゼオライトを敷いていましたが
予算のバランス的に疑問を持ちました。

木造戸建ての場合は地面や床下に通じた空気からくる湿気を押さえるので意味があります。
しかし、この団地の建て方ですと地面から床までは十分距離があるので
地面から床下に湿気が上がってくることはほとんどありませんし
コンクリートの床と床面の隙間に外気は入ってこないので
こちらも防湿を考えないといけないほど湿気が入るとは考えにくいです。

一袋たった1000円とはいえ10袋程度は使ったでしょうからそこで1万円はかかっていますが
それほど湿気対策をしなくていい箇所にお金をかけるのはもったいない気がします。
喘息を持っていたからその点シビアになっているという話もありましたが
それならば断熱材をバルコニー面にも施す方が効果があったと思います。
あのままではバルコニー側が結露してカビが発生するかもしれません。


弊社が手掛けた『洛西ニュータウンの団地リノベーション』では
湿気・結露・カビ対策をすることがお客さんの要望の一つでしたので
バルコニー側の壁にも断熱材を設置しました。
こちらもローコストだったのですがご要望に応じて断熱にお金をかけました。
予算が限られている時はお金をかけるバランスは間違えないようにしたいところです。




2018年9月30日日曜日

「大改造!!劇的ビフォーアフター」団地リフォームを見て

団地リフォームが「大改造!!劇的ビフォーアフター」
で取り上げられると知り、久しぶりに同番組を見てみました。
団地のリノベーションを考えている方はとても興味深く見られたと思います。

「いやいやそれは…」というところもありましたが
「ほぉ、そんな技が!」と感心するところもあり、
プロにとっても大変参考になりました。

ローコストでいい感じに仕上がっていたけど
実際のところどうなんだろう?と思われる方もいるのでは。

ということで、ここは補足説明した方が参考になると思った箇所について
解説していきたいと思います。


まずは一番気になると思う工事費について。

過去手掛けた団地リノベーションの事例から想像するに
普通に工務店に頼むと少なくとも400万円は必要だったのではと思います。

全部で198万3千円とのことでしたが
尼神インターさんなど出演者枠で手伝ってくれた方の
職人人件費は(おそらく)加味されていないこと、
解体費用が計上されていないことは大きいと思います。
材料費は安い印象はありますが設備機器はこの程度でしょう。

弊社が手掛けた中では
『高倉台団地暮らしのハコ301』が予算感的には一番近いです。
ご夫婦が家具製作額縁製作のお仕事をされているのでできる範囲でDIYとしたこと、
解体範囲を限定したこと、浴室とトイレはそのまま使うことで同程度の工事費に押さえていました。



番組を見ているとローコストの割に
逆効果ではないかと思われることもいくつかありました。
それについては次回お話ししましょう。





2018年9月9日日曜日

奈良の団地をめぐる『団地ツアー~公団住宅の魅力に迫る~』開催

10月6日と11月10日に奈良の団地をめぐるツアーを開催します。

奈良市観光協会のご協力で実現したこのツアー、
もちろん団地不動産代表であり『団地図解』の著者の吉永がツアーアテンダントを勤めます。

著書『団地図解』的な視点で団地がどのような意図で作られているか、
その秘密について解説しながら中登美団地と平城第2団地をめぐります。
外はもちろん、お部屋や集会所も内覧します。
この貴重な機会、ぜひご参加ください。

それぞれの見どころについては団地不動産ブログにて解説しています。
こちら→

参加の申し込みと詳細はこちら→『団地ツアー~公団住宅の魅力に迫る~』
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『団地ツアー~公団住宅の魅力に迫る~』
*開催日時 10月6日(土)・11月10日(土)13:00~17:00
※両企画とも同じ内容になります。
*料金 3,600円(団地間移動時タクシー代・講師料・会場使用料を含む)
*行程 中登美団地→平城第2団地 それぞれ室内の見学もあり
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2018年7月14日土曜日

住まいを探している人のためのハザードマップ

先週の豪雨の際、万が一を考え高槻の実家に泊まりに行ってきました。
例年は特に心配していなかったのですが
記録的豪雨と聞いていましたし、その日は母が一人になるということで
家族とともに行くことにしました。


実家は私が設計しました。
建て替える前から合わせると50年近く住んでいますが
比較的川に近い場所にありつつもいままで地面が浸水することはありませんでした。
家探しをしているときの話を母が聞かせてくれました。
父は土木の現場技術者でした。
仕事柄関西圏のあちらこちらに行くので交通の便の良いところが条件だったそうです。
一方で土木技術者の目でここは大丈夫、ここはやばいという判断していたと思います。
山に近いところも見に行ったそうですが、最終的には平地で川が近いけど
ここなら大丈夫と言う勘が働いたのでしょう。父に感謝しなければなりません。


家探しの時にこの知見はとても大事だなと思います。
ただし我が家のように身内にその知見を持っている人がいるとは限りません。
そんな時役に立つのが【ハザードマップ】など
土地の災害危険情報や地盤の状況をまとめたサイト・アプリです。
いくつか紹介しましょう。

国土交通省ハザードマップポータルサイト~身のまわりの災害リスクを調べる~
https://disaportal.gsi.go.jp/

ここから家や土地を探している地域のハザードマップを調べることができます。

例えば私の住んでいる高槻では
近くを流れる川ごとにその川が氾濫した場合にどれくらい浸水するかもわかるようになっています。
土砂災害警戒区域も地図でわかります。表示例→わが街高槻ガイド


地盤も含めて状況を知りたい場合は「自分の地盤」があります。
タモリ倶楽部でも紹介されていましたね。
今立っている場所ずばりの安全性が表示されます。
これが一番わかりやすいのではないでしょうか。












2018年7月8日日曜日

無垢の木を使うこと、意外に知られていないそのメリット

息子はmajakkaさんに無垢の木で作ってもらった椅子に座っています。
体が大きくなってちょっと座りづらそうだなと思ったら高さを調整してもらっています。

これが1歳の時↓


そして3歳、背が伸びたおかげでご飯が食べづらそうにしていたので座面をさげることに。
椅子の脚を切って調整してもらいました。


ご覧の通りばっちりの高さで喜んでいます。


最終的には手すりを取って高さをグッと下げて大人が座れる椅子になります。
たびたび買い替えるより安いし、
何より思い出が刻み込まれたものを長く使い続けるのはいいことです。
そんなことを身をもって息子に感じてもらえたらと思っています。

これが木の良いところで、
切ったり削ったり容易に調整することで長く使い続けられるのです。
中古のマンションを年に何軒も見ますが大抵が複合フローリングです。
表面が大きく傷ついていたり剥がれていたりする状態を直そうとするともう張り替えるしかありません。
当時のフローリングは大抵廃番になっているので部分的に張り替えるとつぎはぎになる。
ということで全面張替えで結構なお金がかかります。



無垢のフローリングであれば表面が傷ついても表面を削れば
元の美しい木肌が現れてきます。
表面だけ木の装いをしたフローリングではできない芸当です。
そういう思いから吉永建築デザインスタジオでは予算の許す限り
フローリングは無垢を使うようにしています。
団地のリノベーション、しんかな団地リペアでは
築半世紀を超えた団地をさらにもう半世紀使い続けるために
フローリングは無垢、建具は木製にしています。