2008年5月19日月曜日

建築家の発想術 その2:「世界は仮説でできている」


▲「狭い=快適」、大阪市Tさんの家

「世界は仮説でできている」
と私は考えています。

たとえば今回のコラムは先週書いた
「自分では当たり前に日々粛々と何気なく行っていることでも、
外から見ればとてもスペシャルな発想術である」
という仮説がきっかけとなっています。

最近読んだ『ビジネスマンのための「儲かる発想」』は
「W杯サッカー会場ならば
ただ青いだけのTシャツでも売れるのでは」など、
仮説を立て、その精度を高めることが
ビックビジネスにつながった例を多く紹介しています。

ただし仮説はあくまで仮説で
その正しさを証明するには実現させるしかありません。
逆に言えば仮説は実現のきっかけにもつながります。
仮説は建築の発想の原点です
「こうすれば間取りがうまくいくのではないか?」
「こうすれば強い構造ができるのではないか?」
「こうすればローコストでできるのではないか?」
建築の設計は仮説→実証の繰り返しです。

時に大胆な仮説が思わぬ効果を発揮することがあります。
たとえば狭小敷地住宅である「大阪市Tさんの家」は
「狭い=不快」という一般的な仮説を
「狭い=快適」
「狭い=すべてに目が行き届く」
「狭い=小さい=かわいい」
「狭い=コンパクト=シンプルな生活」
「狭い=すべてにすぐ手が届く=便利」
などポジティブな仮説に読み替えることで
さわやかな住まいを実現しています。

「世界は仮説でできている」
=常識と思われていることも所詮「仮説」である
=ならば仮説を変えれば世界を変えることもできる
そんな雄大な「仮説」を立ててみる。
思いは無限に広がります。



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