2008年6月23日月曜日
【コラム:けんちくのうんちく】建築家の発想術 その7:“声にならない声”を聞く、“姿の見えないもの”を見る
▲T団地のSOHO:一段上がった畳の寝室が好評
ラジオ番組でこんなクイズが紹介されていました。
『水泳のオリンピック日本代表選手が
スピード社の水着を着て出場することについて
アンケートをとると賛成は60%だった。
日本人の過半数がスピード者の水着の着用に
賛成していると見てよいか』
答えは…
『どちらとも判断できない』
アンケートをとった人数が10人なのか1000人なのか
わからないので判断できない、というのがその理由です。
他にも理由は考えられます。たとえば
日本の水着メーカーの人に聞けば結果は変わってくるでしょう。
あるいはこんなことも考えられます。
アンケートに答えてくれる人というのは
世の中のことに問題意識を持っていて、それを訴えたい人が多い。
だからそのような人が考えていそうな答えの比率が多くなるとも考えられます。
世論調査と実社会が微妙のずれるのもこれが要因。
眼に入ってくること、耳に入ってくることは、
その答えの背景をキチンと読み取った上で受け取ることが肝心なのです。
わたしはこのことを設計の仕事をしていて学びました。
建て主様の言葉をそのまま受け取るのではなく、その裏にあることも同時に読み解く。
自分の発言に裏があること、それは建て主様自身も気がついていないことだったりします。
“声にならない声”を聞く、“姿の見えないもの”を見る
その心がけがトラブルを未然に防ぎ、大きな成功を引き寄せる発想のひとつです。
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