2008年11月10日月曜日

【月曜コラムけんちくのうんちく】市街地住宅を知っていますか?その2

先週の続き


▲団地トリビア:「象印本社の上は団地」

まず市街地住宅の成り立ちについてお話しましょう。

戦後、日本住宅公団(現UR都市機構)はいわゆる郊外に建てる団地のほかに、
市街地に建てる団地「市街地住宅」も計画していました。

郊外の団地同様、新しい居住を提供するとともに、
まだ市街地に多く残っていた木造住宅を鉄筋コンクリートに建て替えて、
まちの防火能力を上げることなどがその目的でした。



しかし、郊外と違って市街地の土地代は高く、
建設用地を確保するのは困難。そこで、
地主に「お宅の建物を鉄筋コンクリートに建て替えてあげますよ。
工事費用は公団で持ちます。」と持ちかけ、その代わり上に
団地を建てさせてもらうという方法で市街地住宅を次々と建てて行きました。
そのため下の3階程度分が地主がオーナーのテナントビルなど
その上が住宅という団地-市街地住宅が生まれました。

たとえば
トップ画像のように下が象印の本社で上が団地。

下が天理教の教会▼


下が日本タクシー▼


このように広い敷地の中に悠々と建つ郊外型の団地に比べて
限られた敷地に建つこと、建物によって下に入るビルが異なるなど
いわゆる団地で使われていた「標準型」がここでは採用できません。
そのため郊外型に比べて個々の市街地住宅はとても個性的です。

それは中のプランにも現れています。
そのお話はまた来週。

▼ブログランキングに参加しています。応援クリックよろしくお願いします。
にほんブログ村 住まいブログ 住宅設計・建築家へ 

高槻市の建築家 吉永健一の設計事務所/吉永建築デザインスタジオはこちら→