立派な樹木が開発などによって、
いともあっさりとバッサバッサ切られていく一方、
一時期話題になった「ど根性大根」は
大事に保護され、折れて枯れてしまった後は行政主導でクローンまで作られる。
建築でも
建築的に立派なお屋敷がバタバタと壊されていく一方、
著名人ゆかりの建物などはそれほどでなくても残されていく。
など。
ものが残る/残らないということと、
もののクオリティの良し/悪し
とは思いのほか無関係なのです。
*
東京中央郵便局の保存の動きがここ数日で大きく動き出したのは、
察するに建築的価値というより(残念ながら)は
日本郵政への不信によるところが大きいでしょう。
と考えると
「かんぽの宿」問題がなかったら東京中央郵便局問題は
動かなかったかもしれない。
そして「かんぽの宿」問題は元をたどれば
郵政民営化がなければ起こらなかっただろう。
と、いうことは
郵政民営化は東京中央郵便局の保存に貢献をしているともいえなくもない。
郵便局のままだと案外シラッと建て替えられていたかもしれない。
東京中央郵便局では日本郵政に建物の価値を語るよりに
日本郵政が保存せざるを得ない状況を作るほうが効果的だった。
わたしはプロジェクトDという団地啓蒙チームを率いて
団地の再評価、再活用の活動をしていますが、
このことをとても意識しています。
本当に残したければ
残す理由を考えるより
残す方法や残ってしまう環境を考えるべきなのだ。
東京中央郵便局が
もし一連の動きから計画が変更され、
全面保存かそれに近いことになるようなら、
世の中の建物の保存活動をしている人たちは、
いままでの保存に向けてのプロセスを、
これを例に見直すべきだろう。
参考)東京中央郵便局をもっと知るためのアーカイブ(telescowebより)
取り壊しは「国家的損失」=東京中央郵便局、文科相と保存を協議-鳩山総務相(時事ドットコムより)
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