此花区梅香でアーティストたちが空き家に住み込み、
住民たちと触れ合いながら作品をつくったり、
交流の場として活用する「此花アーツファーム構想」の
見学ツアーに参加してきました。
アパートの一室をアーティストが改装したり
地域の小学生と一緒に道路に落書きをしたり
作品に触発されて子供たちがアーティスティックな落書きを始めたり
川辺の倉庫をギャラリーに改装したり
元メリヤス工場を町にオープンなアートスペースに改装したり
その元寮をアーティストが長期間滞在する宿泊部屋に活用したり
と、梅香ではとんでもないことが起こっています。
下町の雰囲気漂う梅香ですが、
実は高度成長期に工場労働者が住むため発展したニュータウンだったのです。
そして他のニュータウン同様、子どもたちの世代が戻って来ず、
高齢化が問題となっています。
「此花アーツファーム構想」はその解決策の一つとして
地域の人たちに期待されているようです。
こんな風に↓
※近所のおばちゃんに声をかけられるアーティスト
●11日
先月、サスティナブルエリアデザインの会合でお知り合いになった
貝塚市教育委員会上野さんの案内で
貝塚市のコアな建築=織布工場を見てまわってきました。
※右に移っている方が上野さん
織布工場とは農家が副業で行った繊維工場でかつては
山間から市街地近くまであちらこちらに存在してたそうです。
のこぎり屋根という工業的なシルエットと
瓦屋根あるいは下見板張りという和風な素材との組み合わせが
ユニークな存在感を醸し出しています。
施工は地元の大工さん。
工場建築の技術と普通の住宅を作る技術が混ざり合っているところも
ユニークです。
上野さんはこれらを自転車や徒歩で
市内中を丹念にまわって所在や持ち主、
現状の使われ方など調べているそうです。
その多くは廃墟の状態でほっておかれているのですが、
いくつかは施設として活用されています。
※ホールとしての活用例
なんてことない町にもこんな風に“おっ?!”と思える特徴的な建物があるもの。
また、梅香のように住まい方を工夫することでまちの活気が変わっていくこともまた。
うちの町にはなんに特徴がないといって、あらたに
ドンと大きな施設をつくることだけが活性化への道ではない。
そんなことをおしえてくれたこの二日間でした。
大阪府北摂高槻市の建築家 吉永健一の設計事務所/吉永建築デザインスタジオはこちら→