2012年2月4日土曜日

『出張!間取り図&おもろ不動産ナイト @大阪』で思ったこと

こんにちは。
吉永建築デザインスタジオの吉永です。
*
先月22日に『出張!間取り図&おもろ不動産ナイト @大阪』に
ゲスト出演してきました。
お越しいただいたみなさまありがとうございました。
お楽しみいただけたでしょうか。


今回は私がキョート*ダンメンロシュツの話をし、
大山さんが団地やジャンクション、
そして森岡さんが面白い間取り図についてお話をしました。


イベント後の打ち上げで“間取り図ってなんなんだろうね?”的な
話をしていて思いついたことがある。

間取り図ナイトで話題にしているのは「間取りの手帖」や「ヘンな間取り」で
取り上げられるような
入る扉がない部屋があったり、リビングの中に便器があったり
といったこれちょっと住めないよありえないよといった間取り。
これらの多くは図面の書き間違えでできたものだけど、
それがそのままネットの不動産広告に出ていたりする。

もう一つは会場の参加者に自分の家を書いてもらった間取り図
(今回は別の回で書いてもらったもの)。
いわゆる間取りの絵のほかにテレビなど家電や生活用具が
書き込まれていたり、この場所で何をしているとか
お隣がどんな人だとか、ここにゴキブリの死骸があるなど
およそ不動産屋の間取り図には出てこないであろう
“動産”情報が書き込まれていました。

先に書いた不動産屋のヘンな間取りがなぜできるかというと
この間取り図を書いているのはおそらく不動産屋さんではなく
アルバイトで、その中の門外漢の人たちが間違ってしまっていると
推察できる。となると間違った間取りが世に出るということは
不動産屋がチェックを怠っているということだけど、
それだけではないのではと僕は思っています。

実は業者も気がついているけど、
“まぁ、扉が一個抜けてるけど部屋数と大きさ合ってるから
いいじゃないこれで出しとけば”ということではないかと。
不動産屋さんとしてはどういう生活がここで行われるかよりも
部屋の数と広さそして設備がキチンと書かれている事が
借主にとっては大事でその他は多少(?)間違っていてもいいと
思っているんじゃないかと思っています。

これは“動産”情報をびっしり書き込むような借主と全く逆。
不動産屋と借主の間で間取りに必要な情報が食い違っているということ
あらわしているようです。

人口減少が進み増え行く空き家が課題となっている現在、
このギャップを埋めるような間取り図を作成することは
不動産屋にとって顧客獲得のアドバンテージになるのではと
思っているですがいかがでしょう。

例えば「ペット可」と書くだけじゃなく
ペットが好きそうなスペースはここ!と書いてあるとか。
これは借主にとってもとても助かる情報です。

自分が不動産を扱うならこういう“動産”情報も大切にしたい。
そう思った間取り図ナイトでした。

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