2006年1月24日火曜日

今年の野望その1「けんちくの手帖」3

2006/01/24:今年の野望その1「けんちくの手帖」3
(先週の続き)

「けんちくの手帖」プロジェクトでは本というかたちで
“けんちくの面白さ”を業界はもとより業界外の方々に
知ってもらう活動を続けています。

ホームページ、ブログやメールマガジンなどが
表現手段として確立しているこのネット社会の中で
なぜ“本”なのか?

ある出版社の社長さんにいまの時代に
本を出版する意味とは何なのか尋ねたことがありました。
「確かにネットで情報を流した方が
より手軽により多くの方々に見てもらえるかもしれない。
しかし、残らない。次々と更新される情報の中で
過去のコンテンツは埋もれていってしまう。
本ならば残すことができる。」とのことでした。

また本であれば、しかるべき本棚にあれば電源を
入れるなどしなくても手にとってもうことができます。
そしてお茶を飲みながら(接続料を気にせず)じっくりと
読むことができる。パラパラとめくってもらうだけでも
十分。手のひらから感じられる本の重さや
表紙の手触り、ページをめくるその経験は本の内容を
頭と体に刻み付けてくれます。

“本”にはそんなメリットがあります。

ここまで書くと気がつかれた方もいらっしゃると思います。
実は“本”と“建築”は似ているのです。
見えないネット上の情報で経済が動かされる
この世の中、目に見えて実態のあるもので
社会に働きかけたい。

「けんちくの手帖」プロジェクトは
本業ともどもそんなことを意識しながら、
進めています。