2006年5月15日月曜日

記憶を残す庭

2006/05/15:庭の話 その3…記憶を残す庭

昨年竣工した、わたしの自邸は建て替える前の庭を
ほぼ、そのまま残しています。

「駐車場にしたら?」という声もあったのですが、
「駐車場は外で借りられても、庭は借りられない」ということで
残しました。

おかげで毎月駐車場代を払っているのですが、
そうしてでも、この庭残したのは建て替える前の
家の記憶をどこかに残したいという思いがあったからです。

建物は耐久性や時代の変化で何らか変わって
いかざるをえませんが、庭は昔のままでいられます。
また、木々の変化が家の歴史を刻んでいきます。
数年前、たまたま見つかった昔の写真を見てそう思いました。あ
んなに大きな木は最初はこんなに小さかったんだと。

自邸の近所では建て替えのたびに立派な庭が
つぶされる光景にでくわします。わたしの庭は
そんな風潮へのささやかな抵抗であると同時に
未来の我が家の主への遺産でもあるのです。