2006年6月26日月曜日

"使う"人をピンポイントに想定した住空間

2006/06/26:「使える」建築 その4
…"使う"人をピンポイントに想定した住空間

ハイツヤマザキは当事務所が手掛けた
ワンルームマンションです。

わたしも一時期ワンルームマンションに住んだことが
ありますが、暮らしてみてどうも違和感がありました。
かえって学生時代に住んでいた狭い木賃アパートの方が
快適に感じる。それはなぜなのか?

そこで、ハイツヤマザキの設計にあたっては、
ワンルームマンションの住人とはどういう人たち
なのか、どういう生活をしているのか…
ということから、考え直してみました。

多分、彼らは昼間はほとんど部屋にいないでしょう。
そして夜に帰って、食事と風呂をすましテレビを見て寝る…
そうであるならば、昼間に誰かいるとか、
家族間のプライバシーを考えないといけない
家族用のマンションとワンルームマンションは
全く違うものになって当然のはずです。

ハイツヤマザキはそのあたりを意識して設計しました。
奥行きを深くする代わりに、部屋の幅を狭めて
手を伸ばせば何にでも手が届くようにしたり、
プライバシーを考えなくていいので、
リビングの真横にお風呂を設けたり、
ゴミ置き場にしかならないバルコニーはなくしたり…
家族用のマンションではタブーになるようなことを
あえてしてみました。

その甲斐あってか、住人は設計者の狙いをはるかに超えてこの
部屋を楽しそうに使いこなしています(写真が紹介できないのが
残念なくらい)。

住むということをさらにクローズアップして"使う"という視点で住ま
いを考え直してみる。そんなこともたのしい住まい作りには大切
なのです。