2006/06/19:「使える」建築 その3
…"使える"インテリア
当事務所で設計したカフェ「Common Cafe」は、ミュージシャン、
アクター、シェフ、DJ、クラフトマン…さまざまなジャンルのアーテ
ィスト・プロデューサーが日替わりマスターとなって、自らの表現
活動や交流の場として活用するカフェです。
カフェだけでなくステージとしても使えるよう考えたとき、普通なら
カフェのインテリアに舞台装置をプラスすることを考えるのでしょ
う。しかし、予算が限られている中で二つのことにお金を使うのは
辛い。そして、舞台装置がカフェのためのインテリアと喧嘩してし
まうかもしれない…。そこで、Common Cafeでは、カフェを彩るイ
ンテリアがそのまま舞台装置に、あるいは舞台装置がそのまま
インテリアになるように考えてみました。
インテリアのアクセントとなる緞帳カーテン、黒板壁に白く描かれ
たスクリーンの模様、作品陳列のための箱棚、吊り物のためにあ
えて露出させた天井のスチール骨組み、など。つまり"使える"イ
ンテリアです。
ただ気持ちいい空間を提供するだけがインテリアの役割ではな
い。インテリアにはいろいろな活動に関わっていける可能性を持
っている。そんなことを意識してデザインしたカフェです。そして、
この発想はその後のわたしの設計の発想にも活かされていま
す。