2007/2/6
…舞台美術と吉永建築デザインスタジオが目指す建築その2
「地形」をもちこむ
酒井さんとのディスカッションは建築と舞台美術の
異種格闘技になるかと思いきや、話を始めてみると
建築と舞台美術(ヨーロッパ企画だからかもしれませんが)が
同じようなことを考えていたり、同じようなことで苦労したり、
同じようなことで喜んでいるんだなぁとおたがい共感し合うことばかリで驚きの連続でした。
その一つ目は「地形」という考え方で空間をデザインしている
こと。それは段差だったり、穴倉のようなスペースだったり。
ヨーロッパ企画ではまず作家の方から舞台に「地形」を
作ってくれと指示があるそうです。そこでの上り下りや
身をよじるように入り込んだりという一つ一つの動きが
ヨーロッパ企画の舞台をおもしろくしているようです。
わたしも設計の中で「地形」ようなスペースを設けることが
あります。昨年末に竣工した長岡京竹の台団地リフォームでも
和室の床を他より高くして、段差と天井の低いスペースを
設けています。段差は住まいの空間に変化を与えるとともに、
押入れの中の隠れ家のような小さくもなぜか居心地の
いい空間を提供しています。