2009年4月20日月曜日

【月曜コラム】 建築で「日常の面白さを見つけること、伝えること、活かすこと」 =ポテクリ その2

先週の続き

まずは、私が独立前に勤めていたときに
担当した仕事についてお話しましょう。


ある住宅地の提案のお仕事でした。依頼主であるS町は
別のコンサルタントにも提案を依頼していたのですが
その案をとても気に入らなかったらしく、
私が勤めていた事務所に別案の提案を依頼をしてきました。

コンサルタントの案は
もとからある小川を改修して両側に遊歩道を設け、
それに沿って商店街や住宅地が町並みを形成しながら
並ぶという内容でした。

提案書を見る限りでは悪い案ではなかったのですが
現地を視察して愕然となりました。

“小川は“川”というより排水溝。

まわりではすでに住宅地の乱開発が始まっており

とても“町並み”を形成できる状況ではない。

つまりコンサルタントの案は
その土地がどういう状況であるか
を全く無視し(もしかしたら一度も見ていない?)

どういう可能性があるか、何を活かしていけばよいか?
などとても重要なところを考えていなかったのです。


多分どこかで提案した案を判を押したように
焼きなおしてS町に提出したのでしょう。
同業として恥ずかしい限りです。世の中の
コンサルタントってこんなものなのかと
あきれたことを覚えています。

では、この町でできることは何なのか?

S町のほとんどは田んぼで京都のように
よりどころにできる建物や町並みはない。
そしてその田んぼを虫食いのように
てんでばらばらにミニ開発が進む。

これはいままでにない発想の開発手法が必要であると考え、
一見何もよりどころが内容に見えるS町を
“本当に何もないのか?”と疑うように
観察を進めていきました。すると・・・

次週に続く

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