こんにちは。
吉永建築デザインスタジオの吉永です。
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先日「西山文庫 人と住まいと社会を考える研究部会」企画の見学会に参加しました。
京都の市街地住宅(1階など低層階が店舗など施設で上が住宅という
いわゆる下駄履き住宅)を見て周るというこの企画。
管理者のUR都市機構、京都府住宅供給公社様のご厚意で
建物内はもちろん、空いている住戸の中も見せていただきました。
1軒目は下が西陣の中小企業の事務所が入る西陣団地。
2軒目は下が堀川通商店街の堀川団地。
3件目は下が京都南病院の七条御前団地。
どれも昭和30年代以前のものばかりで手法が確立していない中、
今ではもう見られないチャレンジングなプランニングを
数々目の当たりにしました。
特に七条御前団地は下が病院ということを活かして
高齢者対応の団地の体制をとっています。
院内の食堂など施設を利用でき、
病院直通の非常連絡や病院の往診など
健康が心配な高齢者にとってはうれしい医療サービスが
用意されているようです。現在でも同様な例は
少ないというのに昭和63年からこのサービスを
行っているというのは驚きです。
それができた理由は
団地から直通のエレベーターがあるということ。
今では建築基準法やセキュリティーの問題で
実現はとても難しいのですが、そこのところが
確立されていない時代だからできた高齢者ケア団地、
それが七条御前団地。
良くも悪くも今のマンションは整理されて保守的。
そして整理されていないからこそできることもある。
そんな一例です。
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