2012年6月19日火曜日

旧大阪中央郵便局を重要文化財に

こんにちは。
吉永建築デザインスタジオの吉永です。
*
近代建築の魅力をよく伝え、
そして大阪駅前の景観を長くつくってきた旧大阪中央郵便局。
取り壊しに向けた工事が進む中、
建築関係を中心とした「大阪中央郵便局を守る会」が
その名の通りこの局舎を守るべく活動しています。


そして昨日、建築家と建築史家の5名
(建築史家の鈴木博之、松隈洋、倉方俊輔、
建築家の高岡伸一、前田茂樹)が旧大阪中央郵便局を
重要文化財に指定するよう求める訴えを国におこしました。

原告の一人、高岡伸一氏のtweetによれば、
裁判そのものは、工事を今すぐに止める力はないが
建築物の保存・活用に関する本質的な問題提起をしたいとのこと。

ドイツの建築家、かのブルーノ・タウトが、
「伊勢神宮、桂離宮にも通じる合理性・機能性と美しさが
融合した、モダニズムの傑作」と評したと
伝えられている(wikipediaより)この大阪中央郵便局。
一見ただの四角いビルに見えるかもしれませんが
よくよく見ると戦前の近代建築らしい繊細さとチャーミングさを
合わせ持っている。しらっと壊してしまうにはなんとも惜しい。






この裁判は近代建築の建築的価値とはどのようなものか
そしてどういう論法でその価値を認めていくのかの
重要な事例となることでしょう。そして他の重文級の
近代建築の保存にも今後影響を与えるでしょう。

以前、原告として小さな裁判を起こしたことがありますが
訴える側も準備や裁判の行く末の不安で精神的にも肉体的にも
大変疲れるものです。それを承知で立ち上がったこの5名、
そしてこの活動を最大限支援したいと思います。

参考)旧大阪中央郵便局を重文指定にと訴え(大阪府)(読売テレビ)




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