2012年7月2日月曜日

4/16のコラム再々掲:私が大飯原発の再稼動に反対なわけ

こんにちは。
吉永建築デザインスタジオの吉永です。
4/16のコラム再々掲します。
*
報道によると政府は定期検査で停止中の
関西電力大飯原発3,4号機について
“政府の決めた「安全性の判断基準」”を
満たしていることから再稼動を「妥当」とし
福井知事らに再稼働への理解を求める方針を
固めたようです。

福島第一原発の事故が東電などが言うように
“想定外”のことであったならば
この判断基準の想定を超えて事故が起こったとしても
完璧かつ短期間に事態を収拾できる体制を
合わせて用意しておくことが必須でしょう。

例えばわれわれが木造住宅を設計する場合
必ずといっていいほど人がもぐりこめるほどの
スペースを床下に作ります。床下の設備配管に
万が一不具合が起こったときに点検と修理が
できるように、というのが理由の一つです。

最初から水が漏れるように工事をする工務店など
この世には存在しませんので理屈では
床下で漏水する確率は0%なはずです。
しかし“想定外”の万が一が起こりうる。
そのときに完璧かつ短期間に漏水を止めるために
人が漏水箇所まで行って修理できるように
しておく必要があるわけです。

さて、原発に話を戻しましょう。
事故から一年以上経った福島第一原発の現況をみると
とても“完璧かつ短期間に事態を収拾できる体制”が
日本に存在するとは思えない。それは
大飯原発においても同じことです。
ならば今の段階で再稼動が「妥当」とはとても
言える状況ではないでしょう。

いつの日にかその体制が整う日が来るかもしれない。
しかし作業用ロボットを今から開発しなければならない
という現況をみると一体いつの日の話なのかわかりません。
同じく何十年もかかるようなことであるならば
いっそ原発はあきらめて他のエネルギーの開発に
力を注ぐ方がよっぽど得なのではないか。
そんな風に思います。

だから私は大飯原発の再稼動には反対です。



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