2007年3月26日月曜日

住宅がまちをつくる その5

2007/3/26…住宅がまちをつくる その5

マナーの悪い登山客が山にゴミを捨てていくという
ニュースをよく目にします。きれいな自然を満喫するために
山に登るはずなのに、なぜそのきれいな環境を汚すようなこと
をするのか? …誰しも頭を傾げてしまいますが、
ここでその思いを頭にとどめたまま自分の住んでいるまちに
目を転じてみましょう。

ゴミを捨てるとまで行かなくても駐車場を作るために
庭や生垣をつぶしたり、景観の調和を無視して
奇抜なデザインの家を建てたりしている例を
見かけないでしょうか。

○○町は雰囲気がいいので住みたい、
逆に環境がよくないので△△町には住みたくない、
そういった価値判断は引越先を考えるとき
かなり優先的な位置を占めるはずです。
つまりその家の不動産的価値は町の環境にも
大きく左右されるというわけです。まちを形作る
住宅ひとつひとつが環境を意識することが
重要なのです。それは自分たちの心がけでまちの価値、
ひいては自分の家の価値を引き上げることにつながります。

住生活を考える上でまちの環境が大切だと
ようやく国も気がついてくれたようです。しかし
まちを形作るのは一軒一軒の家であり、それを育むのは
住民一人一人であることに変わりありません。
これからはわたしたち建築家も建て主さんたちもその点、
意識しながらの住まいづくりが求められるでしょう。