昨日のコラムにて
公団団地の環境のよさが民間に移行されることで
失われることを危惧するコメントを書きました。
意識しないうちに豊かな環境をうっかり自らの手で
消してしまうことは団地の建て替えのみならず
個人住宅でもありえることです。
立派なお屋敷の庭が建て替えでシラッと
取り壊される光景を目の当たりにすると
個人の住宅もまち全体のことを意識して
計画することが大切だということを感じます。
高槻のスキップフロアハウスでは外観のデザインを
考える時にこの点を強く意識しました。
意識したのは次の二つです。
*一つは道路に近い部分を親しみやすいデザインにすること。
外壁を木で覆い、高さを1階建て半にしたのは
そのような意図によるものです。
*二つ目は庭を建て替え以前のまま残したことです。
周囲のお宅の建て替えでは庭をつぶして
大きく建てたり、駐車場にしていましたが
これはかつて緑豊かだったまちの環境を
阻害するものとして耐えられませんでした。
利便性などだけ考えれば庭でない方がいいのでしょうが
ここではあえて庭をそのまま残ることを選びました。
この住宅は3階建てです。そのまま建ててしまうと
周囲からとても浮いた建物になってしまいがちですが、
道路サイドの可愛らしい外観、そして四季を写す庭が
まちにこうあるべきという態度を示せればと考えています。
大阪府北摂高槻市の建築家 吉永健一の設計事務所/吉永建築デザインスタジオはこちら→