2011年4月30日土曜日

震災シンポジウム「応急から復興へ」

こんにちは。
吉永建築デザインスタジオの吉永です。
*
昨日、震災シンポジウム「応急から復興へ」に行ってきました。

東北大の大学院生加藤拓郎さん、
宮城で建築設計事務所に勤めている中木亨さんから
現地の生の情報を伝えるこのシンポジウム。

建築を作る立場の人たちが現場で感じ取った情報は
自分が現地を見たときに感じることに近いでしょう。
さまざまなメディアでジャーナリズムや研究者が現地の情報を
伝えていますが、なんとなく自分が知りたい情報と質が違う気がしていました。
その隙間を埋めてくれるレポートを聞くことができました。

特に被災地の建築業界の人たちが
今何をしているかが最も聞いてみたかったことでした。
場所場所で被災の程度や質が違うなか、中長期的に
それぞれにフィットした救済をするためには
地元の建築関係者の役割が今回特に必要と考えているからです。 

残念ながら今のところは自分が関わった物件のケアに奔走していて
中長期的な復興の提案をする余裕はなかなかないとのこと。
だからこそ関西など他地方の建築業界からのアイデアが欲しい
とのことでした。

一部には現地の状況をよく知らないでアイデアを押し付けるのは
いかがなものか、という意見もあるようですが、
それは伝え方の問題で、より多くのアイデアが集まることを
現地の建築家たちは欲しているのです。

そして、そのアイデアの精度を高めるためには
やはり現地に行かねばならないだろうと。
そして、今回のシンポジウムは現地に赴くに当たっての
テーマや仮説を立てることの助けとなりました。

企画の浅野君森村君、
関西建築家ボランティアの木村先生
そして加藤さん中木さんありがとうございました。

大阪府北摂高槻市の建築家 吉永健一の設計事務所/吉永建築デザインスタジオはこちら→

2011年4月23日土曜日

選挙ポスターを見てわかること

こんにちは。
吉永建築デザインスタジオの吉永です。
*
明日24日は統一地方選挙第二弾です。
わが高槻市は市議会議員と市長選との豪華二本立て。
ここで以降4年の高槻が決まってしまうだろう、
と思うと自然と候補者の品定めが厳しくなります。

そんな中気になっているのが新人候補の選挙ポスター、写真のできの悪さ。
多分撮影やデザインを自前でしているからでしょうが
顔色悪かったり脂ぎっていたり。
知名度で不利なのだからそこはきちんとしたら?と思うのですが。
私たち業界の人が見ればどれだけきちんと
ポスターを作っているかわかってしまいます。

もちろんポスターだけでその候補のすべてがわかるわけではありませんが
人にものを伝えることをどれだけ真剣に考えているかは
わかるのではないでょうか。

大阪府北摂高槻市の建築家 吉永健一の設計事務所/吉永建築デザインスタジオはこちら→

2011年4月22日金曜日

茨木のカフェ百花で山崎亮さんの話を聞く

こんにちは。
吉永建築デザインスタジオの吉永です。
*
昨晩茨木のカフェ百花へ行ってきました。



併設のギャラリーla galerieでは尾崎泰弘+竹田直樹「BIG BANG - 淡路島で木を拾う」を開催中。
“木を拾う”なのになぜ石の展示?と思っていたらこれ木を数珠の技術で磨いて樹脂を施したものだそうです。



そして外には野菜を入れる木箱をリサイクルしたUFOを展示中。
この中がまた和む和む。



中でくつろいでいたら同行した山崎亮さんから
「吉永さんよくお似合いですよ」との言葉。
う~んよろこんでいいのかこれは?(笑)



さて、山崎さんと百花に来た本来の目的は
百花のオーナーの河上さんと一緒に考えている茨木市内の
某ビルの活性化プランについて意見をもらうこと。



山崎さんと話をしていて有意義なのは
最も難しい中期的なヴィジョンに対して
リアリティをもてる意見をしてくれること。
短期的な勢いから
長期的なサスティナビリティに移行するその間の話を
きちんとおさえている。

さて、わが活性化プランはいかに?



大阪府北摂高槻市の建築家 吉永健一の設計事務所/吉永建築デザインスタジオはこちら→

2011年4月21日木曜日

熊谷産業すばらしい!

こんにちは。
吉永建築デザインスタジオの吉永です。
*
石巻市に熊谷産業という天然スレート瓦を扱う会社があります。
天然スレート瓦は洋館の屋根でよく使われている濃いグレーの薄い石を使った瓦です。
例えば先日ECHOTOURが行われた京都府庁旧本館の屋根もこの瓦です。
現在改修工事中の東京駅でも使われており、この熊谷産業が施工を担当しています。

ところが…
先の震災で被害を受け、使う予定だった瓦が流されてしまったとのこと。
さて、熊谷産業と東京駅スレート瓦の運命やいかに…
と業界みな心配したのですが熊谷産業の努力と
その姿を見て始まった署名活動によって問題は解決したようです。

署名活動が始まるまでの経緯がasahi.comに掲載されています。
熊谷産業、同じく建築業界に携わるものとして誇りに思います。
同じく被害にあわれた業界の方々を勇気付けることでしょう。
ぜひ記事をご覧ください↓
東京駅の屋根材も津波被害 スレート、石巻で補修中にasahi.com記事


大阪府北摂高槻市の建築家 吉永健一の設計事務所/吉永建築デザインスタジオはこちら→

2011年4月19日火曜日

ダンメンツアーこぼれネタ その2

こんにちは。
吉永建築デザインスタジオの吉永です。
*
前回の続きです。

わたしは今日的な京都と伝統的な京都が同時に見られる場所として
ダンメンに注目しているわけですが、同様なものは他にもあります。

マンションの下をくぐって参拝する神社。
不要になったカードを飾るカード塚あり。


タイル張りでおしゃれ!と思わせておいて近寄ってみると実は鉄板



1,2階が和風、その上が洋風のマンション。
これは建物の足回りを和風にせよ、という条例があるからこうなる。
上までは和風にしないのね。


最後に京都人気質を表している掲示を一つ紹介。
本人が直接言わないところが味噌。


大阪府北摂高槻市の建築家 吉永健一の設計事務所/吉永建築デザインスタジオはこちら→

2011年4月16日土曜日

ダンメンツアーこぼれネタ その1

こんにちは。
吉永建築デザインスタジオの吉永です。
*
10日にキョート*ダンメンツアーを開催しました。
京町家の切断面=ダンメンを見て周るこのツアーでは
通りからはうかがい知れない裏の京都を知ることができます。
詳しくは後日みちくさ学会掲載予定のレポートを見ていただくとして
この記事からこぼれそうな内容を記しておきます。

歩いたのはこのルート↓

より大きな地図で ダンメンツアー20110410 を表示

観光地ほどではないけどまだ伝統的な何かがぽつぽつと残るエリアです。

この五重塔のようなものは(多分)染色関係の建物。
乾燥させるために使われているのではと。


新町通は祇園祭の中心地。
祭時に会所となる町家。
よく見ると軒裏に提灯の電源のためにコンセントがずらり。



道には山鉾が建つ位置を示した石や
灯篭などを立てる柱を指すための穴があいていたりします。
五山の送り火といい京都には祭りの装置が埋め込まれているのです。
京都、普段から興味深いです。



(続く)

大阪府北摂高槻市の建築家 吉永健一の設計事務所/吉永建築デザインスタジオはこちら→

2011年4月14日木曜日

東日本大地震後一ヶ月メモ

こんにちは。
吉永建築デザインスタジオの吉永です。
*
東日本大地震後一ヶ月。
各方面からの情報でわかったことメモ

*耐震設計は確立したと見ていい。
1981年の新耐震設計法導入後の建築の地震直接の被害は今回も軽微であった。

*ただし沿岸部の津波や長期のゆれなど「想定外」だったことも今回起こったので
これらについては奢らず綿密な検証が必要。

*また、相変わらず天井が落下するなどの被害は起こった。今回は建物全体は
壊れていないのに天井の落下だけで死傷者が出た事例もある。
国レベルの明快な構造規定が求められる。

*その土地それぞれのもともとの地域性の違い、
何の被害を受けたか、どの程度受けたかの違いで
震災被害の質が地域ごとに大きく異なっている。
例えばテレビでは津波の被害を大きく取り上げているが
東北全土が津波にやられたわけではない。被害のインパクトは
津波の方が大きいが救済の仕方は被災の質によって変わるだろう。

*復興に伴う再開発話も出ているようだが、
どこかしこも山を削って高台に建てるというのは上記で書いたとおり精度にかける。

*被災の質をきちんと見極めた十把一絡げでない復興計画が求められる。


大阪府北摂高槻市の建築家 吉永健一の設計事務所/吉永建築デザインスタジオはこちら→

2011年4月13日水曜日

震災後の住宅支援について:その3

こんにちは。
吉永建築デザインスタジオの吉永です。
*
仮設住宅の建設も進められています。
仮設住宅(建設用地を)3県で計2万6000戸分を確保
優先してまわされるはずの資材が足りないとの声もあり
土地や会社の体制など整っていてもすんなり建設とは行かないようです。

また、仮設住宅の建設には一戸数百万かかりますが、
それならば新しい住まいを手に入れる資金として
そのまま手渡しては?という意見もあります。
普通の住宅では建設に数ヶ月かかる…
そこで、仮設住宅並みに簡単に作れる住宅を提案しようという動きもあります。
EX-CONTAINER PROJECT-コンテナ規格を流用して被災地に家を届けるプロジェクト

ほかにもセキスイM1など、いわゆる往年のプレハブ住宅を
復刻するような動きがあればと思いますが、ハウスメーカーさん一口乗りませんか?

大阪府北摂高槻市の建築家 吉永健一の設計事務所/吉永建築デザインスタジオはこちら→

2011年4月1日金曜日

震災後の住宅支援について:その2

こんにちは。
吉永建築デザインスタジオの吉永です。
*
公営住宅から民間まで被災者に住宅を無料で提供する動きも各所で起きています。
それぞれインターネットを利用して情報の発信、空き住宅の提供を呼びかけています。
KASETSU TOWN
仮住まいの輪
roomdonor.jp

被災者用住宅は34万戸は必要とされています。
被災者自身の新たな住宅の購入、仮設住宅などでは
早々追いつけないでしょう。

既存の空き住宅を活用することは
住戸数の確保のみならず、すでにあるものを使えるので
スピーディーに住まいを確保しやすい。

空住戸で沈みがちな団地、マンションが
本来の役目を勤め活性化する。このことは
頭を抱えていたオーナーたちにとっても
いい励みとなるでしょうし、不動産屋さんにとっても
必要な人に必要な物件をマッチングするという
その役目を発揮できる機会となるのです。
人と不動産の関係を
より良くするきっかけとなるかもしれません。
(続く)

大阪府北摂高槻市の建築家 吉永健一の設計事務所/吉永建築デザインスタジオはこちら→