過日お知らせしました「団地への招待」上映会と「昭和レトロキッチン見学会」のトークショーに出演しました。
テーマは、日本住宅公団が生み出した住まいのイノベーションを振り返りながら、それをこれからの住まいづくりにどうつなげていくか、というものです。
上映された映画『団地への招待』には、団地での新しい暮らしに胸を膨らませる若い夫婦の姿が描かれていました。今見るとツッコミどころもありますが、当時の人々にとって団地は、未来の暮らしそのものだったのだのでしょう。
その裏では戦後の住宅不足を解消するという大きな使命が団地にはありました。限られた時間の中で膨大な数の住宅を供給しなければならない。そのような状況にもかかわらず、ステンレスシンクをはじめとする新しい設備や住まい方を提案していたことに改めて驚かされます。社会の課題を解決しながら、同時に未来の暮らしを提案する。団地にはそんな力がありました。
最近、建築作品の解説を読んでいると、与えられた条件をどのように整理し、解決したのかが丁寧に語られていることが多くあります。それはもちろん大切なことですが、一方でその建築によってどんな暮らしを実現したいのか、どんな未来を描いているのかまで語られることは、意外と少ないようにも感じます。
団地を見ていると、建築は単なる問題解決ではなく、人々の暮らしの可能性を提案するものでもあるのだと改めて気づかされます。私が団地に惹かれる理由はそこにあるのです。