2018年10月7日日曜日

「大改造!!劇的ビフォーアフター」団地リフォームを見て 2

前回の続きです。

番組を見ているとローコストの割に
逆効果ではないかと思われることもいくつかありました。

ローコストの時、解体費用額は地味に効いてきます。
番組内でLDKの解体の時に「これで120万」と言っていたのは冗談としても
この広さであれば20万~30万円は必要と思われます。
加えて解体時に痛めたところの補修費用もかかるので
費用を抑えるためにはなるべく解体箇所を減らすのがセオリーです。
その点からみるとちょっと壊し過ぎかなと。

ホームシアターにした部屋は押し入れを改造したほうがローコストだったと思います。
コンクリートのままだと音が響くということで
一枚400円程度のマットを貼っていましたが
50枚程度は張っていたので2万円はかかっているでしょう。
それならばボードを一枚張った方が安く済むような気がしますし、
押入れをそのまま残していれば響きを抑える効果があったでしょう。


また防湿のために床下にゼオライトを敷いていましたが
予算のバランス的に疑問を持ちました。

木造戸建ての場合は地面や床下に通じた空気からくる湿気を押さえるので意味があります。
しかし、この団地の建て方ですと地面から床までは十分距離があるので
地面から床下に湿気が上がってくることはほとんどありませんし
コンクリートの床と床面の隙間に外気は入ってこないので
こちらも防湿を考えないといけないほど湿気が入るとは考えにくいです。

一袋たった1000円とはいえ10袋程度は使ったでしょうからそこで1万円はかかっていますが
それほど湿気対策をしなくていい箇所にお金をかけるのはもったいない気がします。
喘息を持っていたからその点シビアになっているという話もありましたが
それならば断熱材をバルコニー面にも施す方が効果があったと思います。
あのままではバルコニー側が結露してカビが発生するかもしれません。


弊社が手掛けた『洛西ニュータウンの団地リノベーション』では
湿気・結露・カビ対策をすることがお客さんの要望の一つでしたので
バルコニー側の壁にも断熱材を設置しました。
こちらもローコストだったのですがご要望に応じて断熱にお金をかけました。
予算が限られている時はお金をかけるバランスは間違えないようにしたいところです。

つづく→