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2009年3月7日土曜日

【東京中央郵便局】ものが残る/残らないということと、もののクオリティの良し/悪しとは思いのほか無関係なのです

立派な樹木が開発などによって、
いともあっさりとバッサバッサ切られていく一方、
一時期話題になった「ど根性大根」は
大事に保護され、折れて枯れてしまった後は行政主導でクローンまで作られる。

建築でも
建築的に立派なお屋敷がバタバタと壊されていく一方、
著名人ゆかりの建物などはそれほどでなくても残されていく。

など。

ものが残る/残らないということと、
もののクオリティの良し/悪し


とは思いのほか無関係なのです。



東京中央郵便局の保存の動きがここ数日で大きく動き出したのは、
察するに建築的価値というより(残念ながら)は
日本郵政への不信によるところが大きいでしょう。

と考えると
「かんぽの宿」問題がなかったら東京中央郵便局問題は
動かなかったかもしれない。

そして「かんぽの宿」問題は元をたどれば
郵政民営化がなければ起こらなかっただろう。

と、いうことは
郵政民営化は東京中央郵便局の保存に貢献をしているともいえなくもない。
郵便局のままだと案外シラッと建て替えられていたかもしれない。

東京中央郵便局では日本郵政に建物の価値を語るよりに
日本郵政が保存せざるを得ない状況を作るほうが効果的だった。

わたしはプロジェクトDという団地啓蒙チームを率いて
団地の再評価、再活用の活動をしていますが、
このことをとても意識しています。

本当に残したければ
残す理由を考えるより
残す方法や残ってしまう環境を考えるべきなのだ

東京中央郵便局が
もし一連の動きから計画が変更され、
全面保存かそれに近いことになるようなら、
世の中の建物の保存活動をしている人たちは、
いままでの保存に向けてのプロセスを、
これを例に見直すべきだろう。

参考)東京中央郵便局をもっと知るためのアーカイブ(telescowebより)
   取り壊しは「国家的損失」=東京中央郵便局、文科相と保存を協議-鳩山総務相(時事ドットコムより)


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2008年6月18日水曜日

地震に負ける理由と負けないチームのつくり方

建築の専門誌日経アーキテクチャーは大規模な地震が起こると
国内外問わずで現地に調査団を送り、
建築専門家の視点から詳細なレポート記事を掲載してくれます。
その最新号には四川大地震の現地の様子が紹介されています。
倒壊した建物のレポートを読むと、
ただ煉瓦を積んだだけの柱など、
到底地震の様に横から大きな力がかかることを
想定した構造ではないことが見て取れます。

楽天の野村監督のことばの中に
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」というものがありますが、
毎回本誌の地震レポートを読むと全く同じことを感じます。
そして被害を受けないと“負ける”ことがわからない建築関係者が
思いのほか多いことをこのレポートは毎回伝えています。
これは国内外問わずです。

さすがに日本では柱を煉瓦で作るようなことはありませんが
倒壊した建築の多くは決まりどおりにキチンと施工されていません。
地震はキチンと施工されていないホンの数箇所を狙って被害をもたらします。

その数箇所の中には工事時に構造の基本的な知識がある建築士が
チェックしていれば防げただろうに…と思われるものが多く見られます。

“うちは別にデザインは気にしないし”
“木造だから建築士に頼まなくてもいいわ”
と考えている建て主は世の中に少なくありません。
このことが地震に負ける建物を助長しているとすると
とても残念なことです。

先の野村監督の「勝ちに不思議の勝ちあり」という言葉は
“勝ち試合でも負ける要素が潜んでいる”という意味も含まれているそうです。
地震で負ける要素を摘み取るために第三者の目で工事をチェックする建築士を
住まいづくりのチームに加えることを強くおすすめします。

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2008年2月15日金曜日

【建築事件簿】人目につきやすいからといって油断できない

先日の大雪の日。
とあるマンションが泥棒の被害にあいました。

侵入された窓の下には
ちょうど足がかりになるような庇があったそうです。
それでも比較的人目につきやすいところにあるということで
特に防犯対策はされていませんでした。

そんな油断と人が外を出歩かない
記録的な大雪を利用した犯行だったようです。
犯人にしても足場が悪かったでしょうに…

本気になった泥棒の恐ろしさを思い知らされる事件です。

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2008年1月24日木曜日

【建築事件簿】建築基準法以上の耐震性が求められている

建築業界紙で見かけたニュースをひとつご紹介。

建設前のとあるマンションについて
周辺住民が建築差止めの仮処分を申請しています。

申請の理由は
「建築基準法を満たしてはいるが、
敷地の状況から考えて東海地震で想定されている
震度では倒壊の恐れがある。」
そして
「マンション販売会社がその安全性を
証明できないかぎりマンションを建ててはならない」
という仮処分を申請しているとのこと。


建築基準法の耐震基準を満たさないという理由で
差止めが申請されることはありますが、
法律上の耐震基準を満たしているのに
申請されるのは驚きです。

われわれ業界の人間は
建築基準法を満たしていればOKと
つい安心してしまいますが、
社会ではそれ以上の強さが求められているのだ
ということをこのニュースは伝えています。
肝に銘じておかねばならないでしょう。