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2021年11月11日木曜日

オーダーキッチンをコストを掛けないで作る方法

今回は既製のキッチンを改造してオーダーキッチンをつくる方法についてお話しします。なぜ既製品ではなくオーダーキッチンにしたいのか、その理由の一つは気に入った扉のデザインが既製品にはないからだと思います。シンクやコンロに特にこだわりがなければ既製キッチンユニットの扉だけを替えてオーダーキッチンにするという手があります。

しんかな団地リペアではこの方法をとりました。廉価版のキッチンユニットの扉を無垢の木で作った扉に替えています。見た目はオーダーキッチンと変わりませんが全部をオーダーした場合よりグッと金額を下げることができました。ちなみに本体より扉の方が金額は高かったです。しんかな団地リペア2住戸のうちさくらの家では濃茶にくりの家では白い色に仕上げています。インテリアに合わせて色が変えられるのはオーダーならではです。




2021年7月29日木曜日

団地リノベーションの洗面台の選び方 その1

団地リノベーションの場合、どのような洗面台を選べばいいのでしょう。2回にわたってお話していきます。

最も多いのが洗面器だけ取り付けるというものです。

竹の台団地の白い家

円明寺ヶ丘団地リペアの改修前には収納付きの洗面台が入っていました。以前にお住まいの方が取り付けたものなのですが鏡が窓をふさいでいたので洗面台ごと取り外してかつてと同じタイプの洗面器に替えました。洗面周りがすっきりとして開放感が出ました。こちらの方が団地らしくてグッドです。

円明寺ヶ丘団地リペア改修前

改修後|洗面器TOTOL250CM

鏡は壁につければいいし、収納は下にワゴンを置けばいいのです。大きめの洗面器であればハンドソープ程度ならばそのまま置けます。棚や窓の面台も小物を置く役割を果たせます。色々ついている洗面台も便利ですが、コストが抑えられ自由にレイアウトができる洗面器だけの洗面も団地のリノベーションにはお似合いなのです。

竹の台団地の白い家 洗面器|DURAVIT STARK3 #030055

しんかな団地リペアクリの家 洗面器洗面器|TOTOL250CM

2021年5月13日木曜日

団地の浴室はやっぱりタイルじゃないと!

団地の浴室はやっぱりタイルじゃないと!という方も多いのではないでしょうか。

しんかな団地リペアでは既存のタイルの上にさらにタイルを張り重ね、腰上の塗装塗り替えと天井の張り替えを行いました。水栓、浴槽と照明も取り替えてオリジナルのイメージを保ちつつ華やかな浴室にリノベーションしました。タイルの大きさをオリジナルより小さくしたこと、照明を船舶照明にしたことがポイントです。

しんかな団地リペアさくらの家 改装後

改装前

ローコストに抑えたければ腰上壁の塗装だけに手を付けそのほかタイルと天井などをクリーニングにとどめるとよいでしょう。円明寺ヶ丘団地リペアは壁の塗装がはがれているものの目地も含めてタイルの状態がとてもよかったので上記の方法をとりました。目地が著しく黒ずんでいたりカビていると美観的にも衛生的にもそのまま使うのは難しいですが、前住民さんがお風呂掃除をきちんとしてくれていたおかげで問題ありませんでした。意外とそこは売値に反映されていないので出会えればラッキーですね。

円明寺ヶ丘団地リペア 改装後

改装前



2021年3月25日木曜日

チェッカーガラス|団地らしくリノベするために選ぶべき部品と素材5

以前当ブログにて「団地らしく」改装するために残したいものとして型板ガラスを紹介しました


向こうがゆらゆらと見えるユニークな型板ガラスは生産終了になっていることが多い。無傷で残っているなら転用できますが、傷んでいたり大きさが合わなかったりした場合はチェッカーガラスを採用するとよいでしょう。



チェッカーガラスも型板ガラスの一つですが現在でも流通しています。昆虫の複眼のように向こうが見えたり光が反射する様子はとてもきれいです。扉を開け閉めしたり、向こうを人が通ったりするときの見え方はすりガラスでは得られない体験です。




2021年3月20日土曜日

取っ手|団地らしくリノベするために選ぶべき部品と素材4

「団地らしく」にこだわるのであれば扉の取っ手にもこだわりたいところです。室内扉であれば既設のものでも十分つかえますが傷んでいたり、扉の付け替え・新設を行う場合は新たに購入することになります。どんな取っ手を選べば団地らしくなるのでしょうか。 


団地が数多く建てられた時代にレバーハンドルは一般的ではなく丸い取っ手のものが主流でした。団地らしくということなら開き戸の取っ手は丸い形のものを選ぶとよいでしょう。ステンレスのものなら一般の建具メーカーで手に入ります。


初期の真鍮製の丸取っ手を再現したいならアンティーク調の取っ手を扱っているメーカーから探すとよいでしょう。


家具や物入の簡易な取っ手には敢えてビスが見えるタイプを選ぶとより団地っぽくなります。こちらはアンティーク系の金物を扱うメーカーから探す方がしっくりくるものが選びやすいでしょう。毎日手で触れるものですから実店舗でデザインや質感を確かめて選ぶことをお勧めします。

アンティーク金物でうっかり洋館っぽいものを選ぶと団地らしさがでなくなるので注意が必要です。私がよく参考にしているのはBOLTS HARDWARE STOREが扱っている製品です。アンティークだけどモダンの方向に振れているので団地っぽくしたいなら間違いありません。






2021年3月11日木曜日

フローリング|団地らしくリノベするために選ぶべき部品と素材3

団地らしくリノベするために床は無垢のフローリングを選ぶといいでしょう。


団地の床材というと塩ビシートなど人工的なものを想像しがちですが、団地が生まれた昭和30年代はまだ工業製品がないもしくは高価であったため、むしろ手作りの材料が多く使われました。窓は木製サッシ、壁は左官塗そして床は無垢のフローリングです。



今では合板の表面に木の模様をあしらったシステムフローリングが安価で取り扱いが楽なので一般的ですが、当時はまだ販売されていなかったため無垢フローリングの方が一般的でした。古い団地の床の塩ビシートをはがすと下から無垢のフローリングが顔を出すこともしばしば。キッチンでは汚れが取りにくい無垢フローリングは敬遠されたのでしょう。後に高級な仕上げになることを知らず…。



しんかな団地リペアではクリとサクラの無垢フローリングを使いました。コストはかかりますがシステムフローリングに比べて仕上がった時の温かみのある空気感、歩き心地、リッチさは比べようもありません。また、システムフローリングは表面が大きく痛むと張り替えるしかありませんが、無垢フローリングは表面をサンドペーパーや薄く鉋をかけると元通りに戻ります。10年20年30年と長い目で見るとランニングコストは無垢の方がお得なのです。何より使い込んでいくうちに何とも言えない味が出るのは魅力です。















2021年3月4日木曜日

水栓、洗面器|団地らしくリノベするために選ぶべき部品と素材2

「いい団地だから、なおして暮らす」のコンセプトでデザインしたしんかな団地リペアでは、オリジナルにフィットした部品・素材選びを行いました。今回は水栓と洗面器の話。


毎日に使う水栓ですからしっかり団地テイストのものを選びたいところですが、これが意外に難しい。モダン過ぎずクラシック過ぎないその中間のところは最も製品が少ないのです。特にシングルレーバー混合水栓は悩みます。しんかな団地リペアではマチルダ・フォーセットのMACVF02-BNを選びました。マチルダは日本製のヨーロピアンアンティーク水栓ブランドですが意外と団地にも似合います。

参考|マチルダ・フォーセット

レバー水栓にこだわらなければLIXILでいかにも団地の時代に使われたかわいい水栓がまだ販売されています。団地テイストにこだわるならばベストチョイスです。


洗面器はTOTOのL250Cをよく使います。形がいかにも昔の洗面器って感じの質実剛健感がありますし、歯ブラシやハンドウォッシュがちょうどおける程度の平場があるので使い勝手は良いです。ボウルの周りがちょっと立ち上がっているので掃除のときに水が周りに落ちることも少ないのも地味に助かります。








2021年2月25日木曜日

スイッチコンセントプレート|団地らしくリノベするために選ぶべき部品と素材1

 先週まで数回にわたって「団地らしく」改装するために残しておきたいもの部品や素材についてお話してきました。そうはしたいけど痛みすぎていたり、性能的に使えなくなっているため残念ながら取り替えなければならないこともあります。そんな場合は現在販売されている中から「団地らしい」テイストのものと交換するとよいでしょう。



「いい団地だから、なおして暮らす」のコンセプトでデザインしたしんかな団地リペアでは、オリジナルにフィットした部品・素材選びを行いました。参考に例を数週にわたってご紹介しましょう。その一つ目はコンセントスイッチプレートです。



毎日手で触れ、つねに視界に入るものだからこそ、スイッチはインテリアに馴染むものを探しました。40年前のデザインに近い、アメリカンスイッチを見つけた時は「これでこのリペアはバッチリだ」と思うほど。”カチッ”と鳴る手応えも格別です。しんかな団地リペアではアイボリーのプレートに黒いスイッチの組み合わせて竣工当時よく使われた松下電工のスイッチプレートを再現しました。



アメリカンスイッチはアンティーク系を扱うDIYショップやネット通販で手に入りますが、電話やテレビのアウトレットやアース付きのコンセントに対応していないものあるの注意が必要です。最近Panasonic(旧松下電工)も同様なデザインのスイッチプレートを販売し始めました。こちらなら各種コンセントに対応しています。デザイン的に違和感がないのならこちらを採用した方するとよいでしょう。


参考|

アメリカンスイッチ(toolbox)


クラシックシリーズ タンブラスイッチ(Panasonic)







2021年2月18日木曜日

金具、照明|団地リペアのために残しておきたいディテール3

 前回からの続き

「団地らしく」改装するために残しておきたいもの。建具や家具についている金物や照明もその一つです。


「大量生産の工業製品は、個性のないありふれたもの」というのが、一般的な考え方かもしれません。しかし、こういった製品は、いったん廃番になると二度と手に入らなくなります。弊社がリペアを施したしんかな団地リペアには、今見てもデザイン的に優れている貴重なアイテムがたくさん残されていました。



性能的にまだまだ使えるものであれば再利用することはコストダウンにもなりますし、インテリアアイテムとしていいポイントとなります。解体する前に今一度「いいものは残して使う」の視点で手に入れたお部屋を見渡してみることをお勧めします。





2021年2月4日木曜日

人造石研ぎ出し|団地リペアのために残しておきたいディテール1

 団地の良いところを生かしながら仕立て直す「団地リペア」を前回の記事で提案しました。新金岡団地で取り組んだ『しんかな団地リペアプロジェクト』では、今の時代だからこそあえて「団地らしく」改装することを意識しました。

竣工当時の雰囲気を残しまだ使える仕上げや金具については多少傷んでいても清掃や補修を施してそのまま使っています。そのほとんどがすでに生産が終わって手に入らなかったり、今となっては作れる職人が少ないなど貴重なものばかり。博物館級のものをうっかり壊してしまうなどなんとももったいない。そんなぜひ残しておいてほしいディテールを紹介しましょう。その筆頭は浴室への上がり框に使われている人造石研ぎ出しです。


昔は公園の滑り台でよく見かけられました。上がり框は濡れた足で何度も踏まれる個所ですので丈夫で水に強い必要があります。石が最適ですが高価なので代わりに採用されたのがセメントを固めて作られた人造石研ぎ出しです。セメントそのままでは味気なく耐久性も劣るので色を付けたセメントを使用し中に細かい石を混ぜ込んでいます。その表面を磨きこむと自然石のような質感が出てきます。

水に強く高級感もある人造石研ぎ出しは団地が建設された当時は盛んに作られましたが、手間がかかることから使われなくなりました。今あえて作ろうとするとできる職人も少ないですし既製品を使うより高価になります。そんな人造石研ぎ出しですからそのまま使わない手はありません。部分的に欠けていることはありますが補修可能です。ぜひそのまま残してお風呂に入るたびそのふみ心地を楽しんでください。






2021年1月7日木曜日

団地のよさを活かすためにリノベーションではなくリペアする

団地を購入してリノベーションすることが住まいづくりの選択肢として認知されつつあります。ただ残念なことに先行する事例の多くは、団地を「今の暮らし方や嗜好に合わないもの」とネガティブにとらえ、間取りや仕上げを刷新しています。その過程で団地がもともと持っている良さが失われているように感じます。

建物の持ち味を根底から捨て去ってしまうリノベーションは、「リノベーションの皮をかぶったスクラップ&ビルド」です。本来の意味でストックを活用するためには「悪いからなおす」でのはなく、「いいものだから使い続けたい」という感覚が必要です。

そこで吉永建築デザインスタジオが提案するのは新品のように取り繕うリフォームでもなく、がらりと作り変えてしまうリノベーションでもなく、よいところを生かして仕立て直す「リペア」という発想です。お気に入りの靴や着物を丁寧にリペアしながら使い続ける感覚です。

新金岡団地で取り組んだ『しんかな団地リペアプロジェクト』では、今の時代だからこそあえて「団地らしく」改装することを意識しました。間取りをなるべく替えず、仕上げや金具も使えるものはそのまま使い、痛んでいるものについてはオリジナルに近いものを選びました。

無垢材のフローリング、壁や天井のペンキ仕上げ、塗装仕上げの扉は、傷んでも塗りなおしたり削ったりすることで比較的手軽に補修ができます。少しずつ手直しをして、長い年月に積み重ねられた補修の跡は、年輪のように住まいの歴史を語るでしょう。完成してからも、住み手がリペアしながら住み続ける住まい。「いい団地だから、なおして暮らす」営みを長く続ける住まいになればと願います。

参考)