2025年9月17日水曜日

町田の団地リペア設計プロセス|窓の景色とエアコンの配置で間取りが決まる

間取りの打ち合わせの中ではLDKと寝室をどこに設けるかも議論になりました。

元の間取りは下記のとおり。現LDK左手の洋室のどちらを寝室として残し、どちらを現LDKにくっつけるかが選択肢となります。


DK縦長案では、バルコニー側の洋室と現LDKの間の壁を撤去し、一体化させます。バルコニーに面して大きく開ける、明るく気持ちのいいプランです。ただし問題は寝室。バルコニーと反対側にはエアコンを取り付けられないため、寝室に直接エアコンを設置できません。LDK側のエアコンで補うことはできそうですが、能力的に不安が残りました。
DK横長案では、バルコニーと反対側の洋室と現LDKをつなげます。実はこの向きの方が視界が開けていて、眺望が良いのです。寝室にはエアコンを設置できるため快適性が高い一方で、LDKのエアコンの効きに不安はあります。ただし寝室のエアコンを併用すれば十分対応できそうでした。

最終的に選んだのはDK横長案。完成してみると、パノラマのように団地の景色を楽しめる、心地よいLDKが実現しました。




2025年9月10日水曜日

町田の団地リペア設計プロセス|団地リノベーション間取り図の作り方、洗濯機はキッチン?脱衣室?

現地調査をもとに、リノベーション用の間取り図案を作成しました。
まずは、もとの間取りをご覧ください。


今回のプランでは、LDKと隣接する部屋の壁を、構造が許す限り取り払うか、フルオープンできる建具で仕切ることで、竣工当時の団地ならではのおおらかな空間のつながりを取り戻すことを目指しました。
キッチンユニットは既存のものをそのまま活用し、位置も変更していません。
また、洗面所と玄関の間には新たに扉を設置し、洗濯機置き場はキッチン横に設けています。


洗濯機の設置場所については、お客様の間で議論がありました。
「脱衣室の横に置いた方が便利では?」という声もあれば、「冷蔵庫はシンク横が使いやすいので、洗濯機はキッチンにまとめた方がよい」という意見もありました。
そこで、洗濯機置き場を脱衣室に移す案も別途作成し、2案ともに工務店へ見積もりを依頼することになりました。

2025年9月3日水曜日

町田の団地リペア設計プロセス|“ここからどう変わる!?”ビフォー公開

町田の団地リペアの改装前の様子をお伝えしましょう。

元の間取りは3LDKです。


竣工当初は、LDKとその左隣の2つの洋室の間は襖で仕切られていました。しかし、後の改装で個室化を目的に壁で仕切られるようになっています。
もし竣工当時のまま襖で仕切られていれば、開け放って広々と使えるのに…ともったいなく感じます。



キッチンは使い勝手のよいI型で、比較的新しいため、このまま活かせそうです。



洗面はほぼ竣工当時のままでした。洗面器は小さく、洗濯機を置く場所もなく、玄関から丸見えという点も課題です。


このお部屋で、限られた予算の中でどこまでご希望を叶えられるのか。設計の挑戦が始まります。



2025年8月27日水曜日

町田の団地リペア設計プロセス|大阪から関東へ、遠方案件でも対応できる方法

私たちの事務所は大阪にありますが、今回ご依頼いただいたのは東京は町田市でのお仕事。実は、関東でのプロジェクトは初めての経験でした。


お客様は「対面で打ち合わせをしたい」とご希望されていましたし、工事が始まれば現場を確認する必要も出てきます。そうなると、交通費だけでもかなりの金額になってしまいます。

ご予算が限られるなかで、品質を落とさずにご希望を実現するためには、出張回数を減らす工夫が必要でした。

そこで設計については、細部まで図面を描くのではなく「デザイン監修」という形をとりました。そして工事監理は、要所となるタイミングにしぼって現場に足を運ぶことにしました。具体的には、

  • 工事が始まる直前

  • 設備の配管が終わったとき

  • 仕上げ工事が始まる直前

  • 工事が完了したとき
    の4回です。

この方法によって、余分なコストをかけずにクオリティを確保し、安心して工事を進めることができるはず。「遠方の事務所にお願いして大丈夫だろうか?」と不安に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、あきらめる必要はありません。ご希望に合わせた形で、安心してお任せいただける体制を整えています。

2025年8月13日水曜日

町田の団地リペア設計プロセス|購入前から寄り添う団地リノベ、町田での始まり

町田の団地リペアは、お客様が団地を探し始めたところからご一緒しました。

地元に詳しいお客様が、不動産会社を通じて候補をいくつか絞り込み、私は図面や管理組合の資料を確認。希望のリノベーションができるか、購入価格と工事費を合わせて予算内におさまるかなどを一つひとつ検討していきました。上京してお客様と一緒に内覧することもありました。

立川、国立、町田の物件を見比べ、駅からの距離や利便性、価格、予想工事費を総合的に検討した結果、町田市内の分譲団地に決まりました。物件探しからここまで、約3か月。いよいよ設計のスタートです。


2025年8月6日水曜日

ホームページ更新のお知らせ

弊社ホームページに設計事例を追加掲載しました。京都の2DKのマンションを1LDKにリノベーションした事例です。下記リンクからご覧ください。

Kyoto Monochrome Renovation

リノベ後

リノベ前
間仕切りのないおおらかさと、モノクロームの潔さが際立つ、シンプルで洗練された住空間が特徴です。コストを抑えるため、解体範囲を最小限にとどめ、壁紙や樹脂製の床タイルといった比較的安価な建材を使用。それでも空間が安っぽく見えないよう、色味や素材感にこだわり、シンプルながら上質さを感じられるインテリアを目指しました。